端午の節句に虎を飾る意味!関西でお馴染みの張子の虎とは?
端午の節句の風習は、関東・関西では少し違いがあります。
例えば、「端午の節句に食べるもの!」と言えば、関東では「柏餅」ですが、関西では「ちまき」となります。
どちらが本当、どちらが間違い、というものではありませんので、それぞれの”風習”として捉えれば良いのですが、端午の節句にまつわる風習には、もう1つ、関東と関西で大きく異なることがあります。
それが「虎」です。張子の虎(はりこのとら)と呼ばれるものです。
私は生まれて関東でしか過ごしたことがないもので、端午の節句に「虎」を飾る風習は大人になって初めて知りました。
飾る”張子の虎”(はりこのとら)とは、首の動く虎のおもちゃのこと。
そう言われると、関東の人も、何となく「あれかな?」をイメージが付くのではないでしょうか?
端午の節句に虎?張子の虎を飾る意味
端午の節句の起源は、中国にあります。中国から日本に入り、日本で独自の文化に少しずつ変わりました。
が、根本のところは中国に由来している風習がほとんどです。
関西で端午の節句に食べられる「ちまき」も、元々は中国に由来していて、この「張子の虎」を飾る風習も、また、中国に由来しています。
虎は神聖な存在!崇められていた象徴
「龍虎」(りゅうこ)のことばがあるように、中国では昔から、「虎」を神のように崇める文化がありました。日本のふすまや、掛け軸、さまざまな昔のものに虎が描かれているのも、そういったところから来ているものです。
虎は、魔除け、厄除け、守り神として日本でも神聖な存在として受け入れられました。
そのため、今でも端午の節句に虎を飾る風習が残っているのです。
また、なぜ、関西圏の風習になっているのかというと、端午の節句が中国から伝わった頃はまだ、西に都があったためです。
端午の節句が広まったのも、奈良時代のことなんだそうですよ。
奈良時代は日本の首都(みやこ)は、平城京(奈良県)っだったので、関西中心に広がるのも納得ですね(^^)
薬としても使われていた「虎」
虎頭殺鬼黄円(ことうさっきおうえん)って聞いたことがありますか?なんかの呪文??
誰の必殺技??
というくらい、難しいことばが並んでいますが、これは、虎の頭蓋骨から出来た薬の名前です。
かつてコレラが流行った時に、この薬が効いたのだそうです。
流行った場所も、現在の大阪。そういったところからも、関西では虎を飾る習慣が根強くあるのです。
張子の虎を飾る意味
今の日本にて、張子の虎を飾る意味は、大きく分けて3つです。
1つ目は、「無病息災」です。
人々をコレラから救った虎の薬にちなんで、無病息災の意があります。
2つ目は、「子供の成長」です。
ご存知の通り、虎は強く、たくましい動物です。
その虎のように、男の子が強くたくましく生きていけるようにとの、願いが込められています。
3つ目は、「厄除け・魔除け」です。
神聖な存在とされる虎は、昔から厄除け・魔除けに良いとされています。
日本の端午の節句に虎を飾るのも、家やそこに住む家族の厄除け・魔除けの意味があります。
関東ではあまり馴染みのない風習ではありますが、関西では、家の中に飾る”内飾り”として、張子の虎も、鎧兜や、五月人形とともに飾っています。
しかし、張子の虎は、5月の端午の節句に特化したものではないので、一年中飾っているという家も多いようです。
5月人形のように、端午の節句が過ぎても、すぐしまわなくてもいいので、家の守り神として飾ってある場合も多いです。
端午の節句は主に”初節句”のお祝いでもありますが、五月人形や、鎧兜、こいのぼり、張子の虎には、それぞれ意味があるので、初節句だけに関わらず、ぜひ毎年飾ってあげましょう!
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