テフロン加工のフライパンが危険というのは本当?科学的な根拠は?
油が少なくても焦げ付かないから料理はヘルシー♪後片付けも楽チン♪
テフロン加工のフライパンはとても便利なものですよね(^^)
それもこれもテフロンという樹脂(フッ素樹脂のブランド名)のおかげなんですよね。
今ではフライパンや鍋だけでなく、台所回りの様々な調理器具や医療機器にも使われているとても万能で便利な素材です。
ですが、このテフロンに「人体に有害である」という話があるのをご存知でしたか?
もしそうだとすれば料理は口にはいるものですからおちおち使ってられませんよね!
そしたら使うのにコツが要り、焦がしたらお手入れも大変な鉄などの純粋な鉄のフライパン等を使うしかなくなってしまいます(汗)
そうなったら世の中の主婦(夫)は大変ですよね!!
そこで、今回は「テフロンが危険」というのは本当なのか?についてお伝えしたいと思います。
テフロンが危険と言われる理由は?
テフロンが危険と言われるようになったのは
テフロンが危険と言われる主な理由は調べるとホントに色々あります。主なものとしては以下の様なものがあります。
- 高温(350度)を超えると有毒ガスがでる。(小鳥などが死亡に至っている。)
- テフロンが劣化する260度以上に達する時間は短い。
- フッ素樹脂は金属ヘラなどで剥がれて料理に混ざり人体に取り込まれる。
- テフロンに含まれるPFOAという物質は体内に蓄積し、ガンの原因などになりうる。
というものです。
まず、有毒ガスについては化学物質が使われているわけですから、規定の温度を越えて使うと有毒ガスが発生するということは簡単に想像できると思います。
極端な話、電子レンジでラップなどが溶けてしまうことがありますがあれだって危険です。
もし、通常の調理の温度(200度前後)で有毒ガスがいちいちでていてはそれは危険ですが、そもそも350度です。
空焚きでもしない限りそんな温度にはなりません。
また、テフロンが劣化する温度とされる260度まではすぐに達してしまうという話もありますが、これもまた事実。
ですが、通常食材をいれて中火以下で調理していたらなかなか越えるものではありません。
また、テフロンの樹脂が剥がれて人体に取り込まれるという説も可能性としては十分ありますが、テフロン樹脂自体が他の物質と反応しにくい物質であり(だから焦げ付かない)、万が一体内に取り込まれても体外にそのまま排出されます。
人体に取り込まれた場合の有毒性はないとFDA(米国連邦食品医薬局)も発表しています。
最後の、PFOAという物質。これは21世紀になってテフロンとPFOAの関係を巡ってアメリカで裁判にまで発展したものですが、
この物質は高温になると発生するという有毒ガスの一種です。
テフロン樹脂から煙が出るような使い方はそもそも間違いであるというのは先に説明してありますよね(^_^;)
これについてはマウスなどの実験により発がん性のリスクの高い物質である事が証明されていますが、一方で米国政府機関、大学などの研究結果では「直接的なリスクを与えるという判断は下していない。」「使用を辞める必要はない」と発表しています。
直接、マウスに有害物質を与えればそれは影響が出ますが、少なくともフライパンから常にPFOAがでているのではなく、高温にさらされた際に発生するわけであって、通常使用にまで影響があると断定することは多少強引です。
また、PFOAの製造に関与していた労働者の死亡率が高いというデータもありますが、調理をする人に対して有害物質を製造する仕事をしていた人との健康へのリスクを持ちだして比較するのも極端すぎます。
科学的な根拠をもって、テフロンの危険性を主張してはいますが断定するには至らないといった感じのようです。
また、PFOAの危険性を主張しているサイトの中には「テフロン加工ではないフライパン」の販売を目的としているサイトも有り、テフロンのデメリットをとくに強調して表現しているようにも見て取れます。
参考:PFOAの環境影響についての調査結果
PFOAの環境影響についての調査結果
(参考1)
米国環境保護庁は、2003年4月に作成した一般人に対するQ&A(HP上で公開)の中で「環境中のPFOAが一般大衆に対して不当なリスクを与えるかどうかの明確な判断は下していない。今後入手する新しい曝露データをリスク・アセスメントに織り込む際に判断を下す。よって、使用者が消費者製品および産業用製品の使用をやめる必要はない」と述べています。
2005年1月には、PFOAの発癌性などに関するリスク・アセスメント(危険性評価)案を公開し、学識経験者の意見や一般人からのコメントを求め、それを織り込んだ最終版を作成中です。
URL http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pubs/pfoainfo.html
(参考2)
アメリカの政府機関である疫病予防センター(CDC;Centers for Disease Control and Prevention)は、2004年に発行された学会誌(Environmental Science and Technology Vol. 38, 3698 – 3704)の中で「人体のパーフルオロ化合物(PFCs;PFOAを含む13種類の化合物)による曝露と人体有害性との明確な関連性は証明されていない」と述べています。
(参考3)
2005年8月、ペンシルヴァニア大学医学部研究者達が、デュポンのワシントンワークス工場周辺、オハイオ州南東部の4つの地域住民300名あまりについての血液検査結果を公表しました。「肝臓障害や肝臓に関する病気(肝硬変、肝炎や他の肝臓に関する病気)、甲状腺障害、甲状腺に関する病気を有する人達のPFOA濃度が高いという傾向は見られない」というものでした。
URL http://www.lhwc8study.org/index.htm
(参考4)
2007年7月31日、ジョンズ・ホプキンス大学医学部を中心とした研究が、インターネット上の”Environmental Health Perspectivesオンライン”で発表されました。
「出生時にPFOAレベルが高かった幼児と、出生時の体重が低いことと頭周が短いことについて、関連は小さいが統計的に無視できない」と報告しています。ただし「この研究結果は、他の調査・研究グループにより再現されるまでは、慎重に扱う必要がある」とも記しています。
URL http://www.ehponline.org/docs/2007/10334/abstract.html
引用元:ダイキン工業株式会社
使い方を間違えればなんでも危険です。
「テフロンが危険である」と決め付けるのは少々強引であるというのが実際のところではないでしょうか?テフロンのフライパンには「強火で使用しないこと」「空焚きしないこと」など有毒ガスが出る可能性のある使い方を避けるように説明書にしっかりと書いてあります。
調理中は空焚きや、強火での使用を避けフライパンを傷めないように使う側も気を配るべきですね。
現時点で、「テフロンのフライパンが危険」と断定することは、「車は人をはねたら殺してしまう。だから車は危険。」と言っていることに近いです。
日常生活の中には使い方を誤ると死に至るようなものは意外とたくさんあります。
まず重要なのは「正しい使い方をする」ということを意識することです。
賢い消費者にならないといけませんね(^_^;)
最後に
テフロンのフライパンは便利ですが、使い方を間違えると危険であることは間違いないようです。もしあなたが、火力が命の中華料理をしたいのであれば、危険を避けるために鉄製の中華鍋を用意すればいいわけですし、目玉焼きを作るなら、今までどおりテフロンのフライパンで少ない油でヘルシーに調理すればいいのです(^^)
また、危険性を知ってしまったのでもう嫌だというのであれば、テフロンではないフライパンに買い換えるというのも賢い選択肢です。
鍋にもフライパンにも、販売されているほとんどの商品には説明書がついています。
説明書は必要だから付いています。鍋やフライパンの説明書をしっかりと読んだことがありますか?
意外と、開封したら目もくれずに捨てているのではないでしょうか?
もしかしたら当たり前と思っていることが危険なことかもしれません。
今後はしっかり説明書を一度は読んで、安全に使えるように知識をつけましょう!
一番危険なことはこういった情報を知らない、行動しないということですね(^_^;)
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