森と林の違いや語源は?木の本数だけでは決められない!!
森と林という言葉があります。
これ、どういう違いがあるんでしょうか?
漢字で見ると森は木が3つ、林は木が2つですよね(^^)
だから、林より木が多いのが森なんじゃないの?なんて想像すると思います。
私もそのくらいの違いしかありませんでした。
でも、ジャングルなんかはそれはもうたくさん木が生えていますけど密林といいますよね?
木の本数が基準だったら「密森」でもいいようなもの(^_^;)密林以外にも「熱帯雨林」なんかも木が多いなんてものではありませんよね(^_^;)
今回は「森」と「林」の違いや語源についてお伝えしたいと思います。
語源から考える言葉としての森と林の違い
森は神聖な場所だった!?
まずは森について。森の語源は「盛り」であると言われています。そしてこの「盛り」は「山」に通じるものであるとされています。
森と呼ばれるものは高い木、低い木などがたくさん生えていて盛り上がって見えることが多いと思いませんか?
大辞林を見ても
【森】樹木が多くこんもりと生い茂っている所。
と説明され地ます。
森はぱっと見1本1本の木の見分けがつかないほど生い茂っているところを指します。森のなかは日差しも届かなく薄暗くなっています。
そして森は林のように木の見分けもつかずこんもりとしていることから山とも言われます。
実際に東北地方や四国地方には「〜森」という山があるくらいです。
森も山も盛り上がって見えるので区別がつかないというのも分かりますよね。
森の親分が山と言ってもいいでしょう(^^)
森とつく山の例
四国・・・経ヶ森、瓶ヶ森、堂ヶ森など
東北・・・赤倉森、箱ヶ森、大白森など
東北・・・赤倉森、箱ヶ森、大白森など
そして、この山は日本では古来から山岳信仰といって「神々の宿るところ」とされ神聖視されてきました。
人里離れた人間の近寄れないようなところに神様が住んでいると考えられていたのです。
よく山には神社がありますもんね(^^)
そして、これは森にも同様なことが言えます!
「鎮守の森」などという言葉を聞いたことはありませんか?
鎮守の森とは、地域を守る神様が守られた神社を取り囲む森のことです。
神社が先か森が先かで考えればそれは森ですよね(^^)
人々は木々がうっそうと生い茂り、薄暗くて近寄りがたい森を山と同一に神聖な場所として神様を祭り崇めたのです。
鎮守の林とは言いませんよね?
森は林と比較した時の密度も違いの一つですが「森=神が宿る神聖な場所」という意味も込められていたんです。
林は人間の生活により密着したもの!
一方の林はというとどうでしょう。林の語源は「生やし」であるとうのが有名な話です。
「生やす」という言葉から分かることは「人間が木を生やした」ということ。つまり、人間の手の入ったところという意味です。
実際に林業などでは「自然に生えているのが森」「人間の手が入っている所が林」と区別しています。
人間が木を伐採し生活に活用したり、逆に手間ひまをかけて木を育てたりしてきた場所が林と呼ばれ神聖で近寄り難いイメージのする森と比べて、人間にとってかけがえの無い密接な場所という要素が林にはあるのです。
ここまでの森と林の違いのまとめ
森・・・手付かずの自然で、枝が見えないほど鬱蒼と木々が生い茂っているところ。こんもりとした様子は山にも通じる。
また、山=神聖な場所という山岳信仰の考え方から森も神聖な場所として捉えられていることが多い。
林・・・人間が利用したり、手を加えて繁栄させたり、管理しているところ。人間の生活に密接な関係にある場所。
漢字から見た森と林の違い
ここまで語源から見る森と林の違いについて説明してきましたが、なんとなく腑に落ちないところがあるかもしれませんよね。「原生林や密林と森の違いはどういう事?」と思われるかもしれません。
熟語の一部として使われる時の森と林の違いも理解しておかないといけません(^_^;)
それもそのはずです。
森と林は表現しているポイントが違うんです。
それは、以下の通りです。
林=場所を表す
森=木がうっそうと茂っている様子を表す。
森=木がうっそうと茂っている様子を表す。
だから原生林であれば「自然に生えたままの木が集まるところ」という意味になりますが、原生森というと意味が成り立たなくなってしまいます。
逆に森林という言葉は「木がうっそうと茂っている状態の場所」という風に言葉の意味が成り立ちますよね。
まとめ
森と林の違いは見た目ほど簡単ではありません(汗)それは日本語が「文字(漢字)」「言葉」という2つの顔を持っているからでしょうね。
森と林は一言で明確にスッキリと区分けすることは出来ませんが、状況や使われ方によってうまく解釈していくことが大切ですね。
スポンサーリンク