卵と玉子の違いはなに?難しいけど面白い日本語!
今日、ラーメン屋さんに行ったんですが、
いつものラーメンに「味付け玉子」をトッピング
しようと思ったんです。
食券機を改めて見てみるとすぐ近くに
「生卵」というメニューもありました。
「味付け玉子」と「生卵」
どちらも「たまご」と読みます。
まあ、当たり前ですよね?
でも、なんで違う漢字を使っているのでしょうか?
それ以前に、自分自身が無意識のうちに
「玉子」と「卵」を使い分けていたということにも
気づいたんです。
私の場合はなんとなく「字面」で使い分けしていたような・・・
そんなことから気になって調べてみました。
料理前は卵、調理すると玉子!?
簡単に答えがわかったと思った・・・
調べてみると、意外と簡単にそれらしい答えが見つかりました(^^)・「卵」は調理前の状態、生の状態を言うようです。
だから「鶏の卵」や「生卵」などと使われます。
「鶏の玉子」だとなんか違和感がありますよね?
・「玉子」は調理されて食品になっている状態のものを言います。
だから「玉子焼き」「煮玉子」「ゆで玉子」と使われます。
なんだか妙にしっくり来ませんか?
火を通したら「玉子」という感じですね(^^)
「玉子」はそもそも当て字で、卵を割った時の見た目が「玉」(宝石)
のように綺麗だったこと、そして栄養価も高い貴重な食材だったこと
からこの当て字が用いられたと言われています。
そして「卵」という字から連想される「生き物的な生々しさ」
を避けるため主に料理に使われることが多くなったんだとか(^O^)/
卵には生物学的に「子孫を残せる状態(有精卵)である」という定義が
あるようです。
鶏の卵だけが特別だった!
ちなみにこの「玉子」という当て字は「鶏の卵」にしか使われません。
例えば魚の卵はあくまでも「卵」で生の状態でも料理されても
されなくても一貫して「卵」です。
そもそも、「卵を使った料理」というのは日本では「鶏の卵」意外
は殆ど見ませんもんね。
鶏の卵は人間にとって、とても身近で特別な存在だったんです。
新聞は必ず「卵」!?
「よーし、スッキリした(^^)!」と思っていたら困った資料に出会ってしまいました。それは・・・
「新聞ではいかなる場合もたまごは卵という文字が用いられる」
というものです(*_*)
解決したと思ったのに困りました。
新聞用字用語集というものがあるそうでその中で
新聞で使うべき漢字としては「卵」が採用されていて
このルールに従うと「卵焼き」となります。
また、NHKでもたまごは「卵」を使うということが
常識なようです。
理由は「明確な線引がなされていないから」といった
ものです。
確かに、言われてみれば「生か調理後か」で線引しようとすると
「半熟はどうするのか」という問題もあります。
「温泉卵」も「温泉玉子」もどちらでもいい気がしてきてしまいます・・・
極めつけは「広辞苑」
たまごと調べてみると
”たまご【卵・玉子】”
となっており「卵」も「玉子」も同じもの
として扱われています。
「玉子」=「鶏の卵」でのみ使用するというところは
間違いなさそうですが、「玉子」と「卵」の明確な
使い分けには触れられていません。
「卵焼き」も「玉子焼き」も間違いではない
ということなんです。
しかしながら、NHKの調べによると以下のようにやはり
調理されている場合は「玉子」を使う事が多いようです。
NHK放送文化研究所では、「たまご」の漢字表記について
ウェブ上でアンケートをおこないました(2007年2月~3月、1343人回答)。
「生たまご・たまご焼き」を漢字でどう書くかを尋ねたものです。
まず全体として一番多かったのが「生卵・玉子焼き」(55%)というように
「卵」と「玉子」とを使い分けるという回答で、2番目が「生卵・卵焼き」(31%)
でした。この「使い分ける」という回答の傾向は、男性(61%)のほうが
女性(50%)よりも強いようです。
また、この「使い分ける」という回答は若い年代になるほど多くなっています。
今後、主流になっていく可能性もあります。
引用元:NHK放送文化研究所
もう、これは「文化の中で育った独特の使い分け」と
いうことになります。
文字を使う人の「感覚」の部分が大きく関わってきまね(^_^;)
「卵」と「玉子」の論争には明確な違いが決められていない
という事が分かりました。
得意気に「玉子」と「卵」の違いのうんちくを
語ることはツッコまれて墓穴を掘る可能性がありますね(汗)
これが日本語の難しさであり面白さであるのかもしれませんね。
スマートな大人はは「さり気なく使い分けるのが一番」
ということですかね(^_^;)
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